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甘い恋の始まりは最悪の出会い

第2章 虎我の過去

美咲side

虎「なら、ご褒美くれよ」

突然耳元で囁かれたそれは、一気にあたしの顔を赤くさせ、身体までも硬直させた。

美「っ///」

虎「っふはは」

そんなあたしの状態を見て笑う虎我くん。

あたしの顔を覗きこんで、

虎「なんでそんなに顔赤いんですか?」クスクス

と意地悪な笑みを浮かべながらあたしに聞く。

ココ最近、虎我くんがそんな事を仕掛けてくる。

虎我くんにしたらただのお遊びなのかもしれないけど、されるあたしはいつも真っ赤になってしまう。

まぁそれを面白がってやってるんだと思うけど…はぁ。

美「はいはい、ビール持ってきますよ〜」

あたしは何でもないフリをしてキッチンに戻った。

パタン

冷蔵庫からビールを取り出して、冷蔵庫を閉める。

最近虎我くんもビール飲むからビールの減りが早いんだよね…。

そんな事を思いながらビールをリビングへ持っていこうと振り返ったら、

美「!!」

虎我くんが立っていた。

さっきと何処か違うような虎我くんが…。

美「な、なに?そんなにビールが欲しかったの?」

あたしは愛想笑いをしながらビールを差し出した。

グイッ

チュ-

その瞬間。

何が起こったか分からなかった。


チュッ


数秒後、リップ音が響かせながらお互いの唇が離れた。

そしてあたしはやっと状況を理解した。



え、えっと…あたしビールを渡そうとして…

その後、何故か虎我くんはビール…ではなくビールを持ったあたしの手首を引っ張って…。

……………なんでキスされたの?


え?へ?はぁ?

された事は理解したが頭がパニック状態なあたし。

虎「ご褒美、ビールじゃなくて美咲さんがいい」

これまた見事な低音ボイスであたしの耳元で囁かれた。

うん、もう、ね?うん。

美「っ////」

こうなりますよね?笑

いや、てか、今でパニック状態の頭が余計にパニックになる…。

美「じ、冗談やめてよ〜またからかってるんでしょ?だから離して?」

虎我くんの腕の中にいるあたしは一切虎我くんの目を見ず俯いたまま言った。

これで離してくれるだろう。そう思っていたあたしだったが…

虎「ふぅ〜ん?美咲さんは俺が冗談でキスしたと思ってるんですか。

なら、いいですよ。

今からやる事全部冗談だと勝手に思っといてください。」

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