
甘い恋の始まりは最悪の出会い
第2章 虎我の過去
美「あたしも入りたてのときは、社内で仲間も友人もいなくて1人だったし、ミスばっかしてたし、上司に厄介がられるし……」
そんな風には見えなかった。
美「だからあたしが佐藤くんに仕事教えたいと思ったの。」
虎「!?」
美「一緒に頑張らない?」
まさか、そんな事を言われるなんて思ってもいなかった俺は戸惑った。
けど、さっきとは打って変わって真剣な目をしてる藤澤さんを見てたら…
この人と一緒に頑張りたい!
この人となら頑張れそう!
そんな思いが俺の中に出てきた。
虎「俺、凄い迷惑かけますよ?」
美「いいよ!倍返しにしてやるから」クスリ
虎「俺、態度とか口悪いですよ?」
美「あたしが無理やり直してあげるわ」クス
虎「俺、要領悪いし、覚えるのも遅いですよ?」
美「大丈夫。あたしが無理やり脳みそに叩き込んでやるから」フフッ
虎「よろしくお願いします」
美「こちらこそ。」ニコ
本当に変わってるのは俺よりこの人の方だ。
美「部長ーー!」
突然藤澤さんが盛り上げている中心人物を呼ぶと、居酒屋が一気に静まり返って、全視線がこちらに向いた。
怖っ!
部「なんだ?藤澤」
美「この子、今日からあたしのものにしていいですか?」
そう言いながら俺の隣に座って、俺の肩を寄せた。
となると、自然と腕に藤澤さんの胸をが当たる。
部「ものにするってことは、佐藤が失敗した仕事の責任、処理も全てお前が負うんだな?」
それは聞いてない!
そんな事までしないといけないなら、面倒見てもらわなくていい。
虎「それなら」
俺が断ろうとした時
美「もちろん!あたしのものですもの。全責任はあたしが負います!」
その言葉と同時に、皆がザワつく。
「やめとけ。そいつは失敗ばっかりの新人だ。藤澤がどれだけ頑張っても、そいつのせいで全部パーになるぞ。」
「そうですよ!藤澤さん!上に上がれるものも上がれなくなります!逆に藤澤さんの成績まで落ちたらどうするんですか!」
どこからともなく、反対の声が上がる。
美「そうですかね?あたしは成績優秀の素晴らしい後輩を育てあげたってあたしの株が上がると考えているんですが」ニコリ
今度は笑い声が広がった。
