
片想いの行方
第49章 償いの理由
「……それ………誰かに相談したか?」
ヒメの言葉に、私は首を振った。
「誰にも言うなって言われてる。
それに、償いは最低限にしてやるって言われて……」
「……最低限……?」
「体とか、お金の請求は一切無いの。
一条さんは元々お金には困らない人だから。
食材を買うお金も、専用のカードを渡されてる。
……条件は、ただ食事を作ることだけなの」
「……………!」
ヒメは全身で怒りを表すかのように、低い声を出す。
「……なんだよそれ。
どこが最低限だよ。
理由があるにしても、そんな束縛する償いなんて絶対に間違ってる。
それに、さっきから聞いてりゃいくつか不可解な点が……」
「いいの」
ヒメの言葉を、私は遮った。
