
隠れて甘いkissをして
第73章 宣戦布告
「…………………」
グラスを置いたまま、隼人は無言でアタシをじっと見た。
…………
……なんなのよ、その子犬のような目は。
あまりにも落ち込んでるから、ちょっとからかっただけじゃないの。
今の言葉が冗談だってことくらい、わかるでしょ?
由宇が最後に魅せた笑顔の涙と、力強く頷いた姿を
あんたもしっかりと目に焼き付けたんだから……
「いいかげん気持ち切り替えて頂戴よ」
アタシはシャンパンを一気に飲み干した。
「いつまでもジメジメしてたって仕方ないでショ。
アタシが日本に帰った時に、ちゃんと由宇の写真を撮ってきてあげるわよ。
それを自分で切り抜いて、写真集でも作ればいいんじゃな……」
……ポンッ。
「…………?」
