
隠れて甘いkissをして
第72章 旅立ち
隼人が私の顔に近付き
そっと唇を重ねた。
「………ん………」
私の手をしっかり握りしめて
何度も何度も確かめるようにキスを繰り返す。
立っていられないほどの力強さに
私はこのまま体を預けてしまいたくなる。
だけど………
搭乗のアナウンスが、私と隼人の耳に響いて
隼人は私から体を離した。
「………行くわよ。隼人」
アンジーが搭乗口へ向かって歩き出した。
「由宇。これ」
「………?」
隼人は、私の手に赤い包みを乗せた。
「遅くなってごめん。
本当はクリスマスの夜に渡そうと思ってたんだけど」
