
隠れて甘いkissをして
第72章 旅立ち
「香ちゃん。
君の笑顔や言葉は、周りをパッと明るくしてくれるから。
俺が帰ってくるまで、由宇の事を元気にしてやってな」
「……はい……。
ま、任せてくださ……」
香ちゃんの顔はもう、涙でくしゃくしゃだった。
隼人は、最後に立花を見た。
「………………」
立花も、左手で香ちゃんを抱きかかえながら、隼人を見返して……
「………じゃあな」
「………あぁ」
それ以上、2人は何も言わなかった。
心臓がドキドキと高鳴っている。
隼人が私を見た。
「……由宇。おいで 」
