
隠れて甘いkissをして
第71章 願いと誓い
ラウンジ内の喫煙ルームは、意外に誰もいなかった。
大きなガラス張りの窓からは、今まさに飛び立とうとしている飛行機が見える。
「ライター貸して」
隼人に渡すと、彼は咥えたタバコに火を付けた。
その整った横顔を、俺はじっと見る。
覚悟を決めて、挑戦する男の姿だ。
「彰。
お前眠れなくなるほど、俺の事好きだったの?」
「………は?」
隼人は俺に目線を向けて、ニヤニヤと笑う。
「仕方ないな。
今ちょうど由宇と香ちゃんが見てねーから、特別にお別れのハグをしてやってもいいぜ?」
奴はタバコを口に咥え、大きく手を広げた。
「ば……ばかじゃねーの!?」
本当にこいつ……
最後まで心臓に悪いこと言いやがって。
なんなんだよ……
