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隠れて甘いkissをして

第71章 願いと誓い


『……ごめんね。
今日までずっと言えなくて』




いつだったか、帰りがけの俺と香を、咲原が呼び止めた時の事を思い出す。


……あの時から………


気付けなかった自分に、一瞬で後悔が押し寄せた。




『これからまた、立花と香ちゃんに頼る事が増えると思うけど……

面倒に思わずに、飲みに付き合ってくれる?』




咲原は笑顔だった。


何かを決意した、迷いのない顔だった。




『………当たり前だろ………』




俺は胸が苦しくなり、それだけしか言えなかった。

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