
隠れて甘いkissをして
第71章 願いと誓い
去年の12月末。
忘年会と題して集まったシゲさんのBARで
そこで初めて、俺と香は隼人のスペイン行きの話を聞いた。
隼人が淡々と告げる言葉に、俺と香は声も出ずに呆然としていたけど
その横でアンジーと咲原が、穏やかな表情で俺達を見つめていた。
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今日は2人のクリスマスのノロケ話を聞けると思って、香と2人で楽しみにしていたから
それが……
こんな話だったとは、夢にも思っていなかった。
『咲原……』
号泣する香をみんなが慰めてる隣りで、俺は咲原に声をかける。
クリスマスから仕事納めの日まで、咲原に変わった様子が無かったから
俺は全く気付いていなかった。
咲原は、俺を見て微笑む。
