
隠れて甘いkissをして
第70章 2人の心
風が舞う。
隼人の目を真っ直ぐ見つめて
私は自分の答えを彼に告げた。
「隼人が、私について来いって言ってくれて……
すごく嬉しかった。
だけど、私もみんなと一緒で “ 七瀬隼人 ” が好きなの。
向こうで頑張るって決めた隼人の決意を……私は心から応援したい。
挑戦の場に、私がいたら……きっとダメなの。
お父さんが作った舞台で……
色んな試練を乗り越えて、孤独に耐えた隼人が
最高の演技を魅せる、真の姿を
きっと隼人のお父さんも、お母さんも……
天国から見るのをきっと楽しみにしているから………」
…………っ
だめ……
まだ、泣いちゃだめ……
ここで涙を流したら、今の言葉が全て嘘になってしまう。
私は隼人の目から視線を落として
彼の胸に顔を埋めた。
