
隠れて甘いkissをして
第69章 クリスマスイヴ
「由宇、先に席に行ってて」
隼人は私にそう言うと、店員の女性とすれ違うようにして、奥にある階段を登って行ってしまった。
「ふふっ、お待ちしておりましたよ。
さぁ、先にご案内しますね」
「あ…は、はい」
その優しい声に導かれて、私は1番窓際の席に案内された。
白いテーブルの上で、キャンドルがゆらゆらと揺れている。
心地よいピアノのBGMに酔いしれながら
私は太陽の沈んだ暗い海を眺めていた。
しばらくすると
周りが急にざわっとし出して
それに気付いた私が店内に振り返ると
「…………!」
変装を解いた隼人が、こっちに向かって歩いてきた。
