
隠れて甘いkissをして
第69章 クリスマスイヴ
水族館はとても混んでいて、カップルや家族連れを中心にごった返していた。
こんなに人がいっぱいいるのに、隼人は何も気にする事なく、普通に私の隣りにいる。
周りも一切隼人に気付いていない。
…変装してるとはいえ、あの溢れんばかりの色気オーラをここまで消せるとは…
私は改めて隼人の演じる凄さを知った。
「社会人1枚と、フリーター1枚」
「…! は、隼人… 普通に大人2枚って言えばいいんだよ///」
「え?そうなの?」
チケット売場の女性も、必死に笑いを堪えている。
私もチケットを受け取りながら、キョトンとする隼人を見て可笑しくて仕方なかった。
「アンジー」
「シゲさん」
「立花。 あ、やっぱりムカつくからこっちのブヒャっとした方にしよう」
深海魚、ウミガメと指差して
隼人は最後の熱帯魚のコーナーで、コバルトブルーのシュッとした魚から、岩に張りついた方の魚に言い換える。
ゆっくりと水族館を一周し、色んなショーを見て出口に着くまで
隼人の言葉や行動が面白すぎて、私は楽しくて笑いっぱなしだった。
