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隠れて甘いkissをして

第69章 クリスマスイヴ

「…………!!」



私は急いで助手席に乗り、ドアを閉めた。


隣りには……


いつものオーラをまるで感じない、レゲエ風の男の人……



「は、隼人……なの!?」

「おっ、こんなに近くで由宇にも見破られないなら
なかなかいい出来だってことだな」



隼人は髭を触りながら、満足そうにバックミラーを見た。


長いドレッドヘアに無精髭。


ダボっとしたカラフルなセーターに、これまたゆるゆるのデニム。


普段だったら絶対に身に付けないようなピアスに、ゴツゴツした指輪をはめている。


し、衝撃的すぎる………


それに…サングラスで目は見えないけど……


な、なんか少しぽっちゃりしてる気が……



「どっちの設定にするか迷ったんだよ。

東大受験を目指してる七三分けか、この年でもフリーターのお気楽ヒッピーか。

俺は地味な方でいいって言ったんだけど、担当のヘアメイクが面白がっちゃってさ」


「…………! 」


「なんだかやってるうちに、みんなで朝からやけに盛り上がっちまって。

特殊メイクの奴まで参戦したから、顔にも肉付けしたんだよ。

で、こんな仕上がり。

変装は、バレないことが大前提だからな」

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