
隠れて甘いkissをして
第68章 伝えたい想い
「……由宇」
アンジーは、私の手にそっと自分の手を重ねた。
「ここからは、マネージャーの立場を捨てて、真実と本音を言うわ」
その言葉に、私はアンジーを見る。
「本当は、選択するまでもないの。
隼人はあんたにスペインに来て欲しいの。
あいつが、由宇と一緒に行かせてほしいと……
アタシに頭を下げて頼んできたのよ」
「………!」
「隼人にとって、あんたは唯一無二のかけがえのない人だから、片時も離れたくないのよ。
アタシも正直、隼人から由宇を離すのが怖い。
今のあの男の精神は、あんたへの愛で出来てるようなもんだから、離れた途端崩壊してしまうかもしれない。
だから……さっき言った事をあんたが理解した上で、隼人について行く “ 覚悟 ” があるなら。
アタシは……
あんたの決意を尊重する。
あんたが隼人を支え、傍に居てくれることに心から感謝する。
だけど……
アタシは七瀬隼人という俳優のマネージャーなの……」
