無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「勘違いしないでね。

アタシはあんたに意地悪してるわけじゃないのよ。

ただ、隼人にとっても、アタシにとっても

今までのようにはいかない、未知の世界。

この上ない挑戦の場なのよ」



アンジーはそこまで話すと、私の方に振り返った。



「……由宇。
あんた、隼人が出来ない事ってあると思う？」


「えっ…？」


「隼人が、何かにつまずいて悩んでいたり
誰かに負けて弱ったり、コケにされたりする姿、想像できる？」


「…………」



私の知ってる隼人は………


いつも自信に満ち溢れていて、なんでも卒無くこなしてしまう完璧な人だ。


一度、病院で彼の震える姿を見たけれど…


それ以外は全くといっていいほど弱さを見せない。


私の表情を読み取ったアンジーは


いつもの雰囲気を消して、静かに話し始めた。