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隠れて甘いkissをして

第68章 伝えたい想い

アンジーが指定したお店は、会社から2駅先だった。


駅から直結したビルの最上階に、そのBARはある。


私がBARの前に着いてから10分も経たないうちに、アンジーの姿が見えた。


黒い毛皮のコートを羽織り、赤いピンヒールをカツカツ響かせて。



「なによあんたまた泣いてるの?
いいかげん泣き虫は卒業しなさいよ」

「……ごめんなさい…」



慌てて目をこする。



「あ、あの……、隼人は…?」

「今日は関西に行ってて、別の担当がついてるわ。
アタシは色々手続きがあるからね」



アンジーは私の泣き顔をジッと見た後、頭をガシッと掴んだ。



「……まぁいいわ。

大事な事を早く言わなかった、あのエロガッパも悪いから。

奢ってあげる。行きましょ」



アンジーと私は、BARの中に入った。


1番奥のカウンターに並んで座る。


周りには数人いるだけで、会話は聞こえない距離だった。

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