
隠れて甘いkissをして
第68章 伝えたい想い
「……ううん、なんでもない」
私は小さく言うと、またイスに座り直した。
「先輩♡
香ができる事があればいつでも言ってくださいねっ」
「うん、ありがとう。お疲れ様」
「じゃあ、また明日な」
「お疲れ様でーす♡」
2人は、肩を並べて楽しそうに社内を後にする。
お互いに笑顔で見つめあって、もう隠してても意味がないくらい、立花と香ちゃんはお似合いだった。
「……………」
時刻は夜の8時になろうとしている。
私は携帯を取り出した。
……シゲさんのBARに行く?
シゲさんは、もう知ってるよね。
シゲさんも、隼人と離れるのは寂しいだろうな。
私は……寂しいというより、なんだかもっと別の感情が心の中にあるような気がしていた。
悲しいでも、怖いでもない。
この気持ちは何なのかな……
