
隠れて甘いkissをして
第68章 伝えたい想い
隼人に来年のスペイン行きの話をされてから、1週間が経った。
その日は、離れるギリギリまで、隼人は私の事を抱きしめてくれた。
次に逢うのはクリスマスイヴ。
私の家に迎えに行くと、隼人は言ってくれた。
……もうすぐ来る、12月24日に
私は答えを出して、彼に告げなければならない。
この1週間
私は自分のこれまでを、1人で思い返していた。
仕事のこと。
仲間のこと。
離れて暮らす家族のこと。
そして……… これからのこと。
社交的じゃない私でも、27年という月日の過程には、それなりに色んな事があったと思う。
だけど、考えれば考えるほど
私の頭の中は、隼人でいっぱいになってしまう。
自分のこれからを決めなきゃいけないのは分かってるのに
心に溢れるのは、愛しい彼の笑顔だけだった。
それ以外
何も考えられなかった。
