
隠れて甘いkissをして
第67章 突然の選択
隼人の腕が私の体を包む。
2人だけの、穏やかな時間。
それなのに、私はどこか落ち着かないような感覚に陥っていた。
なぜかは分からない。
だけど、胸の奥でトクトクと早い速度で心臓の音が鳴り続けている。
「………由宇」
隼人が私の体を起こす。
隼人の顔が、月明かりに美しく照らされていた。
その真っ直ぐな目に吸い込まれるように、私も隼人を見つめる。
なぜだろう……
胸が少し苦しくなる。
「……由宇に、聞いて欲しい話がある」
隼人は、カウンターに腰掛けて向かい合う私の手を握り、話し始めた。
