
隠れて甘いkissをして
第66章 何が欲しい?
私の訴えに、隼人は体を離して少し考え込んだ。
私はドキドキしてその答えを待つ。
エレベーターが最上階に着いた所で、隼人は私を見てニッコリ笑った。
「じゃあ、スモールライト」
「………え?」
ス、スモールライトって……
懐中電灯を当てると、どんなものも小さくなる
あのアニメのやつ……?
「そ、それは……
どこにも売ってないよ……?」
エレベーターを降りてスタスタと進む隼人の後ろを追いかける。
「そっか、残念。
…っていうのは冗談で。
俺は何もいらないよ」
家の鍵を取り出して、隼人は振り返った。
「その気持ちが嬉しいけど。
由宇が一緒に居てくれるから、他には何もいらない。
俺はお前が傍にいてくれたら、それだけでいいんだ」
