
隠れて甘いkissをして
第65章 和やかな時間
「お、来たか」
カウンターの中からシゲさんが顔を覗かせる。
「隼人はここに寄らずにそのまま行くんだったよな?
由宇ちゃん支度できてるかい?」
「はい、大丈夫です」
私はお金を立花に渡して、バッグを手に取った。
「咲原先輩お疲れさまでした~!
香今手が離せないのでここから失礼します!」
フライパンを手に格闘している香ちゃんが、カウンターの中から大きな声を出した。
「うん、頑張って。
…立花、また来週ね」
「あぁ、お疲れ」
私は最後にシゲさんにも挨拶して、裏口からBARを出た。
ひんやりした空気が、体を包む。
すぐ目の前に、アンジーが運転する車が停まっていた。
