
隠れて甘いkissをして
第64章 内緒の準備
「決まってるだろ」
隼人は帽子をかぶる。
「由宇のクリスマスプレゼントを選びに行くんだよ」
「…………」
信号が青になる。
左折する車が多く、渋滞は少しだけ解消した。
「寝言は帰って寝てから言いなさい」
「……!」
アタシは躊躇なくアクセルを踏み、その店の横を通り過ぎた。
「…なにしてんだよ鬼オカマ」
隼人が後ろから身を乗り出す。
「もう時間ねーんだよ。
誰かさんがクリスマスまで、殺人的に仕事をぶち込んだせいでな」
「アホな事ぬかすんじゃないわよエロガッパ」
今にも飛びかかりブレーキを踏んできそうな奴を、アタシは右手で後ろの席へ押し戻した。
「クリスマスは土日だから休みたいなんて言った、31才のピーターパンはどこのどいつかしら?」
