
隠れて甘いkissをして
第61章 夢じゃないよね?
先輩はしゃがんでまたあたしと目線を合わせて
あたしの頭をポンポン叩いた。
「会議の資料、こんな短時間で終わらせたのかよ。
やっぱりお前は凄いな。
1人でよく頑張ったよ、…お疲れさま」
「…………っ」
ガタガタッ!
「おいっ……」
あたしは座っていたイスから体を離して、目の前の先輩に飛び込んだ。
先輩はよろけながら床に尻もちをついて、そのままあたしを受け止める。
涙が止まらなくて、先輩の胸に顔を押し付けた。
「……海老沢…」
あ……
海老沢って……
やっぱりさっき名前で呼ばれたのは、幻だったのかな…
