
隠れて甘いkissをして
第61章 夢じゃないよね?
そう言った先輩は、あたしを見つめてにっこり笑った。
「………///」
先輩、笑顔だ……
…気のせいかな?
なんだか…… 先輩の話し方が、いつもより優しくて。
胸の奥にまた、熱い気持ちが溢れてくる。
「俺が出て行く時には何も言ってなかったけど、なんとなくお前は残ってやってる気がしてさ。
いつも見えないところで頑張ってるから。
…でも、もう夜10時回ってるぞ?」
どうしよう…
心がキュウッと締め付けられて、苦しい。
「どこまで進んだの?
咲原ほど役に立たないと思うけど、手伝うよ」
「あ…」
立ち上がろうとした先輩に、あたしは小さい声で言う。
「さっき、ちょうど終わりました…
今、印刷してるから、それでとりあえずは…」
「……マジ?」
