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隠れて甘いkissをして

第60章 暫定彼女

「ならせめて、海老沢じゃなくて、香って名前で呼んでください。

みんなが見てない所でいいですから…」



さっきまでの浮かれた勢いから一転、少し悲しくなってきてしまった。



先輩とあたしは、あの日からなにひとつ進展していない。


たまに一緒に帰ったり、飲みに行ったりするだけ。





…暫定1位でも嬉しいけど


先輩と私だけの、特別な何かが欲しいよ…







すると、先輩は真剣な目であたしを見つめてきた。





ドキッと心臓が鳴る。





「………俺さ……」





先輩が口を開いた時だった。







「あっ香! 抜けがけー!」




後ろから同期の声がした。




「立花さんと2人だけでランチなんてずっるーい。

私達もおじゃましまーす」




総務にいる同期2人が、キャッキャと言いながら先輩とあたしの隣りに座ってきた。

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