
隠れて甘いkissをして
第57章 隠れて甘いkissをして
「………海老沢」
「誰かを紹介なんて、できません。
立花先輩は、香がもらいます」
さらに強く抱きしめられたその腕に、そっと触れた。
「……なにそれ。
慰めてくれんの?」
「本当は、入社した頃から好きでした。
先輩、彼女ができるまで遊び人だったけど
いつも優しくて、周りの人の事を1番に考えてて……」
「……………」
「だから、先輩に彼女がいても、香も彼氏を作っても……
心のどこかでずっと気になっていたんです。
……今、チャンスがあるなら……
先輩を香にください」
……震えるその腕を解き、俺は海老沢の方に振り返る。
顔を真っ赤にした海老沢を見ると
ドキっと心臓が鳴った。
………あれ……?
こいつ……
なんか可愛いんだけど……
