
隠れて甘いkissをして
第53章 もう離さない
震える由宇の手を
今度は俺が握りしめた。
「……当たり前だろ……」
もっと気の利いた事を言いたいのに、いつものような言葉が思い浮かばなくて
俺は一言そう絞り出すだけで、精一杯だった。
「………良かった……!」
由宇は……俺の目を見ると
ふっと優しく微笑んだ。
「ダメって言われても、もう遅いって言われても
絶対に諦めないって決めてたの。
隼人が私に幸せをくれたように、今度は私が隼人の為に……
自分が出来ることは、何でもするから。
だから……
もう離れないで………」
