
隠れて甘いkissをして
第53章 もう離さない
「ただでさえ目立つあんた達が、さらに目立ってどーするんだよ」
立花の存在に気付いたアンジーが、俺の胸ぐらを掴んでいた手を離す。
「……あら。
誰よこのカワイイ男は」
「後で説明する。
それより由宇は……!」
アンジーが俺の方に振り返った。
「ぶつかった車の運転手はさっき帰ったわ。
色々と事は済んで、病室に今シゲちゃんが……」
「何号室だよ!」
俺は声を荒げてアンジーに詰め寄った。
もう、聞いてる余裕なんて無い。
「15階の1503……って、ちょっと隼人!」
その言葉を聞き終わらないうちに
俺はアンジーと立花を置いて、エレベーターに向かって走り出していた。
