
隠れて甘いkissをして
第53章 もう離さない
「行こう。
もう行った方が早い」
立花の言葉を聞いて我に返った俺は、サングラスを取り出した。
夜の11時になろうとしている。
この時間なら、人目につかずに行けるだろう。
立花と2人で病院の正面口に足を踏み入れたタイミングで、アンジーが前から走ってきた。
「アンジー!!
なんで由宇が……!」
「隼人! このバカ!!
アタシが話してる途中でよくも電話を切ったわね!!」
「俺の話を聞けよ!
なんで由宇がお前と一緒にいたんだよ。
それに……」
「話を聞いてないのはアンタの方でしょーが!
このバカチン!!」
俺とアンジーが言い争うその横から
「……おい!
ちょっと2人とも落ち着けよ!」
立花が割って入ってきた。
