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隠れて甘いkissをして

第52章 回想

由宇は芸能界に全く興味がなかったらしく、俺が名乗っても何の反応もしなかった。



……知らねーのかよ……




謙遜してもそこそこ売れてると思っていた俺は、少しだけヘコんだ。


でもそのお陰で、由宇には変に気を遣わずに接する事ができた。


俺の仕事をバラしてからも、由宇は何も変わらない。


俺を見つけると、パッと明るい顔をする。


ジッと見つめると、顔を赤らめて目線を外す。


電話で告白をしたら、また泣いていた。




マジで可愛いな……


こんな事で、なんでお前喜んでくれんの?


でも、泣いてほしくない。


もっと俺に笑ってみせてよ、由宇。




“ 楽しい ”

“ 嬉しい ”

“ ありがとう ”

“ 隼人が好き ”




その笑顔と、その言葉が



どれだけ俺を救い、幸せにしてくれていたか……



由宇が笑う度に、心を覆っていた鎖が解かれていく。



………由宇が、俺に



ずっと求めていた “ 光 ” を与えてくれた。

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