
隠れて甘いkissをして
第52章 回想
失恋したばかりという話を聞いても
帰り際の由宇に、俺は自分を抑えることができずにキスをした。
呆気にとられながらも色っぽく火照る顔を見て、これ以上はヤバイと思い
無理やりタクシーに押し込んでその日は帰した。
その後、俺と由宇を繋ぐ唯一のシゲさんのBARに何度か顔を出しても、由宇は一向に現れない。
………やっぱり、逢ったその日にキスなんてしたのがまずかったのか……?
念のためくすねた由宇の名刺を見ながら、俺は逢いに行ってもいいものなのか、1人で悶々と考えていた。
………正直、女の事でこんなに悩んだことはない。
だけど、悩んでいる時間も勿体無いくらい
俺は由宇に逢いたかった。
