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隠れて甘いkissをして

第52章 回想

そんな日々が続いた、ある夏の暑い日だった。


小学4年の夏休み、プールから帰った俺は、家の庭に繋がるテラスでウトウトとしていた。




目の前に咲き乱れる、色とりどりの花。


父が母の為に、この広い一等地の半分を庭にして、ガーデニングができる花壇が広がっていた。


水をやっていた母が、ふいに話しかけてくる。




『ねぇ、見て。
ラベンダーが咲き始めたわ』




その声を聞いて目を覚ました俺は




『………………!!』




母の顔を見て、全身に衝撃が走った。




『ほら、レオ。
あなたが毎年咲くのを楽しみにしてた花よ。

こんなにたくさん。
こっちに来て、一緒に見て』




その顔は、ずっと封印されていた笑顔で溢れていた。




『……っ 母さん……!』




俺は裸足のまま、夢中で母に近寄った。


やっと……やっとこの時がきたと思った。




『母さん、俺……!』


『ふふっ。どうしたのレオ。

そんなに走って来なくても、お花は逃げないから大丈夫よ?』

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