
隠れて甘いkissをして
第34章 車内
「あぁもう!
すっかり時間くったじゃないのよ!
明日早いんだから、さっさと帰るわよ!」
腕時計を見て叫んだアンジーが、車のエンジンをかける。
「由宇、あんた今日はこのまま隼人の家に行く?」
「……あ……えっと……」
私が答える前に、隼人が口を開いた。
「いや、今日は逢うことになってなかったんだ。
由宇は家に返すよ」
「…………!」
少しだけ、チクっと胸が痛んだ。
そうだよね……
元々約束してなかったし
明日も隼人は仕事なんだから、今日はこのまま別れるしかない。
もうちょっとだけ、一緒にいたかったけど……
これ以上迷惑かけられない。
