
隠れて甘いkissをして
第32章 対面
「念のためよ。
アキくんと一緒にいた人が、本当に咲原さんか確かめたかったの」
立花の彼女は、2人を見ずに答えた。
私から、視線をそらそうとしない。
「何よもう!
会社終わってすぐこんなとこまで連れてこられてんだからね!
完全にうちらパシリじゃん」
「まぁまぁ」
グチグチ言う1人を、もう1人がなだめた。
「見つけられたし、誰か他の人に見られないうちに言って、さっさと帰ろーよ」
3人が私を道の端に追い込む。
すぐ後ろは車道で、会社のエントランスからは少し離れた所に来た。
威圧感に、私は声が出ずに連れられてその場に立ちすくむ。
立花の彼女が、低い声で言った。
「……アキくんに、近寄らないで」
