
ももいろタイム【完】
第16章 おとぎ話のような。
正直、ファンタジーなんて夢物語だと思っている。
でも、不思議とそれを受け入れていた。
俺が動く度に、ちょこちょこと着いて来る。
その動きと小ささに笑みが浮かぶ。
それは10cm程の女の子。
色白で目が大きく力強い。髪は背中程有り、綺麗な薄いブラウン。
俺は暫くその子を見ていたくて、側にあった椅子に腰掛けて本を読む振りをしていた。
俺が足を組んだり、本を取り替えに動く度に、サッと隠れている。
また椅子に座り落ち着くと、本棚の陰から見ていた。
.
