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ももいろタイム【完】

第16章 おとぎ話のような。




ある日、俺は街の古い図書館に行った。

試験の資料を探す為に。


奥まったところで、本に手を伸ばした時、目端に動くものがあった。

そのまま本の内容を見ていると、今度は足元に。


(なんだ?)


俺は気付かない振りをして、本に集中しているように装い周囲を伺っていた。


(いた!)


やはり見間違えではない。

それは本棚の陰から、俺を見ていた。

口の嘴が上がってしまう。

俺が気付いているのが分からず、俺が動くと後を追い隠れて見ている。


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