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いつまでも、何年経っても切なくて

第20章 悲しい嘘のはじまり

「眠れないのか?」


えっ?


『響...起きてたの?』


「あぁ、あの頃を思い出してたら

酔いがさめてしまって...」


あの頃?


響も思い出していたの?


「なぁ莉子...」
身体をこちらに向けた響


私は身体は仰向けのまま顔だけ響に向けた


響は笑いもせずに私を見つめている


「莉子、手つなごうか...」


『...手?...』


「手、つないで?
そしたら俺寝れるかも...」


手なんかつないだら
私は余計に眠れないよ...


私は掛布団の上に出していた右手を布団の中にしまおうかと迷っていると


響が上半身を起こして私の右手をさらっていった

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