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華のしずく~あなた色に染められて~

第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~

「今、何と申されました?」
 震える唇で漸く言葉を紡ぎ出せば、秀康が繰り返す。
「帰蝶殿に俺の妻になって欲しいと申し上げた」
「なにゆえ、私があなたの妻にならねばなりませぬ!」
 帰蝶は声高に言い返した。
 怒りで腑(はらわた)が煮えくり返りそうである。

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