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華のしずく~あなた色に染められて~

第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~

「私は、あなたの兄君の―、秀継様の妻でございますよ?」
「それがいかがしたというのだ?」
 さも事もなげに言ってのける秀康に、帰蝶はキッとなった。
「昨日、伯父貴や兄貴の葬式で初めてそなたを見た折、ひとめで気に入った」
 まるで店で物を品定めでもしてきたかのような物言いに、帰蝶はついに語調も荒らく叫んだ。

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