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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

 上手くは言えなかったけれど、時房が死にゆくに際して信成に遺した言葉を聞く時、珠々にはそんな気がした。たとえ謀反をたくらみ、信成の暗殺を望んだとしても、生命の尽きる寸前、時房が信成に遺した言葉は、これからの彼の生きる指標となるべきものであった。
 また、そう思わなければ、信成の立つ瀬ががないような気がしたのだ。

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