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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

―叔父上―ッ。
 信成の絶叫が空しく真冬の凍てついた大気に散っていった。その日の椿は緑の葉にうっすらと雪を乗せ、格別に美しかった。その禍々しいほどの美しい赤色を、信成は眼に灼きつけた。

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