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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

 事件はそのときに起こった。いつになく酒を勧める時房に煽られてか、信成も時房自ら酌をされ、盃を重ねた。普段はけして人前では酒を飲まない信成だった。むろん、酒を飲んだところを首を取られてはならぬと身の危険を警戒してのことである。が、そこは気を許した叔父の前でのこと―と、誰もが思った。

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