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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 秀吉がそっと明子の身体を寝台に押し倒す。真上になった秀吉が明子の顔を見て問うた。
「何を考えている?」
 咄嗟のことに、明子は応えることができなかった。涙の滲んだ眼で秀吉を見返すしかできない。
「それほどまでに俺に抱かれるのが嫌か?」
 重ねての問いに、明子はたまらず、顔を背けた。溢れてくる明子の涙を秀吉はじっと見つめていたと思うと、すっと離れた。

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