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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 明子の眼に、雨に濡れた紫陽花は泣いているように見えた。自分の身体を欲しいままにする男が憎かった。けれど、秀吉を憎みながらも、いっそう強く魅かれてゆく自分を自覚せざるを得ない明子だった。
 その夜。
 異国めいた寝所の中で、明子は秀吉と共にいた。今夜は、秀吉はまだ姿を見せてはおらず、明子はしばし秀吉を待つことになった。

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