テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

 老婆は大きな吐息を洩らすと、肩を落とした。まるで何かの呪文か、はたまた経文を唱えるかのような厳かな口調で、老婆は一人呟く。
「その剣は諸刃のつるぎ、正義を目指す者に光を与え正しき場所に導き、野心を抱く者は、闇に陥れ悪しき場所、即ち地獄に行かせしむ」
 その声は低く、まるで地の底から這い上がってくるかのように不気味であった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ