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華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「若者よ、その刀には十分、用心するが良い」
 だが、青年の興味はもう、眼の前の老婆からは失せていた。
「婆さん、いつまでもデタラメばかり言ってると、今に罰(ばち)が当たるぜ」
 青年は笑いながら言い、何事もなかったかのように立ち上がった。
「これ、若者よ。待つのじゃ」
 老婆が慌てて声をかけたが、青年の姿は既に行き交う人群の中に消えていた。

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