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華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「若者よ、その者はならぬ」
 老婆の言葉に、青年が訝しげな顔になる。老婆は低い声で言った。
「その者は、いつかお前を裏切る」
「裏切る―? 婆さん、浅太のことを言ってるのなら、心配は要らねえ。こいつは俺の弟分なんだ。ガキの時分からずっといつも一緒だった。気心も知れてる」
 老婆は何か言いたそうだったが、それ以上、浅太には取り合わず、再び若者の方を向いた。
「そなたは天下を取る相がある」

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