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華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「いや、わしは人を占う時、いつもこうして眼を閉じるのじゃ。さすれば、その者の来し方行く末が自ずと見えてくる。その者がいかに過ごしてきて、これよりいかに生きてゆくかが手に取るように判る」
「け、アホくさ。親分、とっとと行きやしょう。ほら吹き親父の次は、今度はインチキ占いの婆ァなんて、今日はそれこそついてないんですよ」
 後ろの浅太がぼやくと、老婆が眼を閉じたまま、浅太の方へ向いた。

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