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ずっと傍に居て

第6章 幸せって…




その顔は

あたしの知っている
彼ではなかった

止めようと
彼の腕にしがみついたが
「退け」と言って
突き飛ばされた

次に起こることが
恐ろしすぎて

あたしはもう
その場から
動けなくなった

涙も止まった

声も
出なくなった


目も伏せた

微かに聴こえる
「すみません」と言う
Sの声

刺しているのか
殴っているのか

ドス…ッ
ドス…ッと

何度も
その音が
聴こえた

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