
禁断兄妹
第71章 君が方舟を降りるなら
「あのー、‥‥萌さん?」
「えっ、あ、はい、」
「ところで、これからお出かけですか?」
「あ、いえ‥‥家に友達が来るんです」
もうすぐ着くと
さっき連絡があった。
「そうですか。お迎えで降りてきたんですね」
「はい。
あっ、そうだ、灰谷さんがここで働いてることを教えたら、ぜひ会ってみたいって言ってたんです。だからすごく喜ぶと思います」
話題が変わったことにほっとしながら
入口のほうを眺めた。
「あ‥‥来たかも」
ガラス越しに大きく手を振るたかみちゃん
私も大きく手を振り返した。
そして
たかみちゃんの隣には
タカシ先輩
にっこり
笑ってる。
